自宅で聴くならK12P、外で聴くならHS740をお勧めします
比較レポートしていただいた商品の情報
PHILIPS SBC-HS740 | K12P ステレオ・イヤフォン | MX550 ヘッドホン |
・参考価格:2,480円(税込) by
Amazon.co.jp ・レポート提供者:KNさん(フリーター・大阪府) ・わがままおすすめ度:★★★★★★★★★☆(9点) |
・参考価格:2,480円(税込) by
Amazon.co.jp ・レポート提供者:KNさん(フリーター・大阪府) ・わがままおすすめ度:★★★★★★★★☆☆(8点) |
・参考価格:2,180円(税込) by
Amazon.co.jp ・レポート提供者:KNさん(フリーター・大阪府) ・わがままおすすめ度:★★★★★★★★☆☆(8点) |
詳細比較レビュー
ネットで評判のインナーイヤー型ヘッドフォン(以下、イヤホン)比較です。
クラシックファンなど、日夜、ミリ単位の音質向上努力に余念がない音質マニア(?)の間で評判のイヤホンはいくつかあります。
古くは、AIWAのHP-V161(実売1000円!)が3000円から5000円のヘッドフォンの音質に匹敵するとの評判に始まり、大御所ゼンハイザー社のMX400、MX500(実売2500円?)のシリーズなどは、「音にこだわる人達」の間で1つの定番になりました。
かくいう私もこれらのヘッドフォンを例に漏れず購入したわけですが、確かにもともとのポータブルCDPなどに付属しているイヤホンなどとは 音の抜け、解像度、低音表現の自然さ、これらの面で大きな違いがでます。
たかだか2000円程度の出費で手持ちのiPodやポータブル機の音質が格段に向上するならば!、というわけでこれらの商品に対する需要は常に大きいものがあります。
そこで、今回わたしは2000円前後の価格帯で、値段以上の高音質を実現していると評判のイヤホンをいくつか購入し、比較してみました。 購入したのは、ゼンハイザー社の新モデルであるMX550 、AKGのK12P、そしてphilipsのHS740 です。いずれもネット上で大きな話題を呼んでいる商品です。
【philipsのHS740】自宅で撮影。高級感がある材質。コードは紐!! |
【AKG(アーカーゲー)のK12P】このイヤホンは普通のイヤホンよりひとまわり小さいので、耳の小さな人にもお勧め。 |
【ゼンハイザーのMX550】従来型よりひとまわり小さくなりました。朗報? |
実売価格も2000円前後で共通しています。
解像度
さて、早速比較です。まず、解像度ですが、これについてはそれぞれ評判のイヤホンだけあって、三者いずれもすばらしいです。
1万円程度のポータブルCDPやiPodなどで再生すると、3者にそれほど違いは感じないのですが、今回、SUNSUIのCD-α717D extraというCDP(古いながら、贅沢に物量投入された時代のなかなかの名機。素直な中にもSUNSUIらしい色気のある音)を使って比較したところ、違いが克明になりました。
解像度でいえば、
K12P>>MX550>>>HS740
という感じです。
K12Pはイヤホンで追求し得る音のクリアさの極限、といったような趣があります。透きとおるクリスタルのような中高音域です。
私は家ではAKGのK501というヘッドフォンを愛用しているのですが、このK12PもやはりAKGらしいやや硬質の繊細なクリアさが特徴になっています。
MX550は、普通のイヤホンと比べると圧倒的というべき高解像度なのですが、K12Pのあとで聴くと、少し音がこもっているな、と感じます。あと、音の情報の質がK12Pと比べると、悪くいえば「粗い」、よく言えば「たくましい」という感じがします。
HS740は、上記2つのイヤホンと比べると、音が一番音の輪郭がぼやけて感じます。ただ、一般のイヤホンとはやはり違い、比較すればこもって感じるというだけで、十分な解像度があります。
音の広がり・・・
音の広がりでいうと、
HS740>>MX550>>K12P
といったところでしょうか。
まず、HS740は普通のイヤホンと違い、耳にかける形で装着するタイプということもあり、音が普通のイヤホンのように耳の中でなるのではなく、空間に広がっていきます。これはちょっと衝撃的でした。
つまり、K501のようなオープンエア型のような聴こえ方をするわけなのですが、にもかかわらず、音漏れの点でもこの3つのイヤホンの中では一番音漏れが少ないのも驚きです。(K12PとMX550はかなり音漏れするタイプのイヤホンといってよいです)
次に、MX550はあくまで通常のインナーイヤー型なので、HS740のような音の広がりは求められませんが、K12Pと比べると、クラシックのライブ録音などでかなりホールの空間を感じられます。大きなホールの空気感を感じながら、ホールに響く音をリアルに感じられます。
音の定位でいっても、比較的狭い範囲で音が鳴っているK12Pと比べるとより立体的な音の定位を感じます。
音色・・・
音色は優劣というよりは個性・好みの問題なので難しいですが、なるべく客観的に比較するならば
まず、音の太さでいえば、
HS740>>MX550>>K12P
です。
これはある意味では音の繊細さの裏返しともいえるので、もっとも音がクリアで繊細に感じるK12Pが一番細いということになります。
次に、音の艶、色気、上品さのようなものでいうと、これは優劣比較はできませんが、HS740は音に個性があります。クリアさでは高級ヘッドフォンに劣るのですが、音の艶かしさやコクのようなものは高級ヘッドフォンと同じようなベクトルで実現できていると思います。「イヤホン」ではなくちゃんと「ヘッドフォン」に近い音がするという感じでしょうか。
MX550はまったりとした音の傾向です。色気という表現にも近いものがあります。ただ、HS740のような上品さよりは、もっとダイナミックな感じを受けます。
K12Pについてはとにかく上品で繊細。おかしな比喩を用いるならば、小さな国の気品ある王族という感じです(笑) AKGのヘッドフォンというのは全般的に「聴き疲れしない」という特徴がありますが、K12Pも上品で繊細に音が作られているので、長時間聴いていても疲れにくい音だと思います。
音のバランス・・・
音のバランスとしては、HS740は極めて自然なフラットな感じです。この3者の中で比べればもっとも低音がでていると思いますが、バランスとしてはあくまでフラットなので、「低音がよくでるヘッドフォンだな」という印象は持ちません。
全体的に音に芯があり、きれいなバランスで音が鳴っています。高音などは他の2つのヘッドフォンに比べればあまりでていませんが、外などで聴くと繊細な高音は聴こえにくくなるものなので、結論として一番「よい音」を感じるでしょう。
次に、MX550はバランスとしてはそれほどよいとは思いません。高音もよくでているし、中音域もまったりとよく表現されているし、K12Pなどと比べると低音もたくましいものがあるのですが、全体としてみると、HS740のような自然なバランスを感じないのです。
従って、この3者の中ではもっとも疲れやすいイヤホンかも知れません。ただし、エージングが進むにつれ、このバランスは解消される可能性もあります。
K12Pについては、全体としてのバランスはよいです。低音には不足しますが、これもAKGのヘッドフォンの個性でしょう。
低音を好む向きには、あるいは低音が重要な音楽を聴くには勧められないかも知れませんが、この低音の軽さがあるからこそ、このイヤホンの類まれなるクリアさが生まれているので、これは仕方ないと思われます。
あと、中音域については素直な音、高音についてはあまりにもよくでているので、キンキンと聴きづらいのではないかとも思うのですが、実際にはそういう印象はありません。
結論は・・・
わたし個人としては、自宅で聴くならK12P、外で聴くならHS740をお勧めします。
HS740はコードが紐ということもあり、外で装着すると個性があって面白いですし、何よりも音の広がり感と芯のあるバランスのよい音の傾向のために、自宅のオーディオ装置で音楽を聴く延長での音楽鑑賞を体感させてくれます。これは、あくまで「イヤホン」の範疇にとどまるほかの2つのイヤホンにはない重要なポイントです。
ただし、静かな室内で聴くと、K12Pの美しすぎる中高音の響き、クリアさ、情報量に比べて物足りなさを感じないでもありません。そこで、室内では、聴き疲れの少なさでもHS740とともに優れているK12Pをメインにし、低音に不足を感じる音源の場合にはMX550やHS740を使うという選択肢がベターかなあ、という気がします。
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PHILIPS SBC-HS740 | K12P ステレオ・イヤフォン | MX550 ヘッドホン |
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